☝アルバニアの国旗。世界の「こわい国旗デザインランキング」の上位に食い込んでいました。
うっかり忘れるところでしたが、11月28日は「アルバニア共和国の独立記念日」です。
おめでとうございます。
アルバニア?
な人もいるかと思いますが、アルバニアはコソボの隣にある国で、コソボに住んでいる民族と同じ民族(アルバニア民族)が住んでいるため、
コソボにとっては無二の親友、いや血を分かち合う兄弟。
(ちなみにコソボにとって足を向けて寝られない大切な国はアメリカ合衆国。なにせセルビアからの独立を支援してくれた最大の協力者なため)
そんな兄弟の独立記念日を、コソボでは我がことのようにお祝いします。
これはアルバニアという「国」の独立ではなく、アルバニア「民族」の独立、との意味合いが強いためです。
実は2月にある「コソボ」の独立記念日よりも、アルバニアの独立記念日の方が大切なんだとか。
「コソボ」の独立は、自らの手で勝ち取ったというよりは欧米の大国の思惑によって作られた、という気分がコソボの人の中では強いらしく、
「セルビアから独立している状態」は嬉しいけれど、コソボという「国」に対しての思い入れはかなり薄いのが実情です。
EUによって作られたコソボの国歌には歌詞もないし、国旗のデザインの評判も最悪。
☝この青と黄色のがコソボの国旗
☝すーぐくっつけたがる。アルバニアの国旗とコソボの国旗が合体したオリジナルデザイン。
それよりも、自分たちのルーツを表す「アルバニアの国旗」の方を何千倍も大切に思っていて、彼らにとっては意味があります。
コソボのアルバニア系の家庭には必ずアルバニアの国旗があるのですが、それは、「自分たちはアルバニア民族だ」ということを強く意識して暮らしているからなんです。
日本人のわたしからしたら、「民族民族、いちいち大げさやな」と思うこともあるのですが、まぁ長年違う民族に支配されていたら、そう思わずにはいられないのでしょうね。
その例に、このアルバニアの独立記念日も、アルバニア本国では結構クールに扱われてて、政府関連の独立記念行事などはありますが、
一般の人たちのテンションはそこまで高くもない。
祝日に乗じて大きなイベントやらパーティーはありますが、それも「記念日だしやろ~」みたいな印象。
それがコソボ国内では、というと、何日も前から町中にアルバニアの旗がはためき始め、各家庭、個人商店、スーパー、車にも大小さまざまなアルバニアの国旗が飾られます。
これこそ旗日。
ブティック店のショーウインドーのマネキンの服装も、アルバニアの国旗をモチーフにしたものばかり。
アルバニア柄のマフラー、Tシャツ、帽子、ドレスまで。
おしゃれな着こなし、ではなく、いかにアルバニアっぽくなるか、が大事のようです。
人々も何週間も前から、11月28日をどんな風に過ごすかの予定を立てます。
会社は休みになり、店や(たしか)銀行も休みになります。
わたしは2015年の独立記念日に、コソボの友人たちとアルバニアまでお祝いに行ったのですが、
レストランではしゃいでるのもうちら(というか彼ら)だけ、道で「独立記念日オメデト―!」と叫んでいるのも彼らだけ。
道行く地元のアルバニア人ですら若干引いている様子でした。
そんな彼らに、「日本はどうやって独立記念日を祝うの?」と聞かれたことがあり、「はて、日本の独立記念日…?」と首をかしげているのを、「信じられない!」といった様子で見られました。
憲法の日でもなく、終戦記念日でもなく、独立記念日…。
それって日本だと「建国記念日」に当たるのでしょうか?それってあの2月11日の?
だとしたらアルバニア民族のみなさんのテンションと違い過ぎて、どう説明していいか分からないです。
ちなみに、こんな記事見つけました。
☝独立記念日が終わったら今度はサンタさんだ