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コソボの水のはなし


コソボに行って嫌いになったものの一つに「シャワーを浴びること」があります。

日本にいた時からも、そんなシャワー(お風呂)好き、というタイプではなかったのですが、

コソボにいるとそれに輪をかけてシャワーから遠ざかりたくなります。

その理由の一つは、「シャワーのお湯」のせい。

こちらでよくあるのは、タンクに水が溜まっていて、それを温めて使うというスタイル。

自分より先に誰かが入ると、自分が浴びている最中にお湯がなくなるということがよくあります。

初めの数分はちゃんとお湯が出るのですが、途中から「あれ?ぬるい?」という感じになり、そうなるとすぐ

「冷たっ!!」レベルの水になります。

だいたい前の人が使い終わって30分待てば、自分用のお湯が出来上がります。

なので、個人宅でシャワーを浴びるときは、まぁまだなんとか大丈夫なんですが、

怖いのは「宿で浴びるシャワー」。

給水タンクが地下などの客が触れられない場所にあり、お湯の温度を確かめることができない場所は危険です。

そのような宿でたまにあるのが、宿全体を暖めるセントラル・ヒーティングシステムとボイラーがつながっているパターン。

暖房が起動している間はお湯も暖かいのですが、暖房システムのスイッチが切られたらもうお湯にはなりません。

一度、コソボではないのですが、その隣のアルバニアのホテルでは、

夜中12時に部屋に戻るとすぐ暖房が切られてしまい、部屋は冷える一方だし、お湯が作られないのでシャワーも浴びられないし、

かといって朝になっても暖房がついてなかったので、滞在中は結局シャワーに入ることができませんでした。

あと、いくらちゃんと暖房システムが稼働していても、

次から次へとみんながシャワーを使うと、お湯の生成が追い付かなくなり結果、水シャワーを浴びる羽目になります。

基本、シャワー室はきれいなので、不潔で足が遠のくということはありませんが、

「いつ水が出てくるかわからない恐怖」を常に感じながらシャワーを浴びるので、

それが嫌でシャワー嫌いになりました。

あとは人によっては「えっ!!??」となるかもしれませんが、

コソボの水道水には「劣化ウラン」が混ざっています。

コソボ紛争の際のNATO軍の空爆に使われた爆弾には劣化ウラン弾が使用されていて、それによって今でも水は汚染されているとのこと。

わたしはきちんと測ったわけではないので、それがどのくらいの量で混ざっているのかわかりません。

わたしが水道水を飲んでいると、「もっと飲め飲め。コソボの水は肌をきれいにするゾ~。なんてったってウラニウム入りだからなぁ」

という冗談を言われました。

まぁ、現地の人は普通に気にせず水道水を飲んでいますし、わたしも飲んでいますが、

気になる方はペットボトルの水を買って飲んでください(25セントほど)。

シャワー嫌いにはある意味朗報?なのは、

首都・プリシュティナでは夜10時から朝6時くらいまで水道の水が止まります。断水です。

急激な人口増加に、水の供給が追い付かない、というのが理由らしいです。

ただし、大使館が集まるエリア及びたいていのホテル・ホステルは独自の給水システムが備わっているので、夜の間も普通に水が使えます。

はじめ聞いたときは「えっ…」と思いましたが、ないならないで歯磨きはペットボトルの水で済ませればいいし、

思ったより不便ではありません。

ただ、わたしは友人3人が共同で暮らすアパートにお世話になったので、

トイレにみんなのおしっこがたまっていく(水がなく流せないからね)現象には少しだけ「う…」と思いました。

一度その中の一人が断水中にう○こをした時があって、さすがにその時はガーンとなりました。

そしてなぜかそのあとには牛乳がかけられていた…。その知恵の作用は全く持って不明。

わたしなんかは断水中なるべくトイレにいかずに済むよう、あまり水分をとらないようにするのですが、

現地の人はガンガンビールやらワインやら飲みます。

毎回いかにわたしが小心者かを見せつけられます。

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