バルカン半島の宿事情をご紹介します。
宿を選ぶ際のポイントにしていただければと思います。
予約サイト
宿検索サイトはいくらでもありますが、ホステルなどの安宿に関して言えば、
「Booking.com」か「Hostelworld」を見て探すので十分だと思います。
どこの宿も、その二つのサイトには自分の宿を掲載しています。
そして冬場などのオフシーズン中は、予約しないで行ってもほぼ空室ありです。
ただ、冬場は予約サイトに載っていても、その日の予約がないからといって宿が閉まっているということもあるので注意。
行ってみたら閉まっていたという事態を避けるためにも、事前に宿に直接メールして問い合わせておくのがベターです。
あと、予約サイトのレビューは、点数だけでなくコメントも読んだ方がいいと思います。
宿側が掲示している情報(例えば受付時間など)と、実際のオペレーションが違う、ということもあるし、
どんな人が集まる宿でどんな雰囲気なのか、を知って選ばないと、とんでもないことに巻き込まれる可能性もあります。
その「とんでもないこと」の内容は例えば以下の通り。
パーティーホステルの存在
東欧やバルカン地域は、西ヨーロッパの若者にとっては「安く酒を飲みに行くところ」らしいんですよね。
日本人の間でもいろいろとあるじゃないですか。
インドは「自分を変えにいくところ」、タイは「マッサージの免許を取りにいくところ」、
台湾は「おいしいものを食べにいくところ」、韓国は「ショッピングしにいくところ」…などなど。
それと同じです。
なので夏場なんかは特にパーティーしにくるヨーロッパの若者が多いです。
コソボにも来るくらいなんですから、セルビア、クロアチア、モンテネグロは言うに及ばず(あとハンガリーのブダペストは年中パーティーが繰り広げられる町です)。
そういう人たちの需要を満たすための、「パーティーホステル」がバルカンにもあります。
特にベオグラードなどの大都市には多いですね。
そしてそういう宿は、「とにかく安く酒を飲めればいい」という人たち向けなので、
宿泊料がその町最安値だったりするんですね。
日本人旅行者のある傾向として、「とにかく安く旅する」というのがあるとわたしは思うんです。
だからそういう人たちは「安いから」という理由で、「パーティーホステル」を選んでしまう可能性がある。
別にパーティーをしたいわけじゃないのに。
パーティーホステルは宿泊料こそ安いですが、パーティーをしない人にとっては安い分の代償が大きいと思うんです。
例えば、同室の人たちがパーティーに出かけて行った部屋でさっさと寝てしまっても、
パーティーピーポーの帰宅によって明け方(4時とか5時とか)に睡眠が妨害されます。
酔っぱらって帰って来るので、部屋の電気をつけるわ、大声出して騒ぐわ、セッ○スしだすわ、なんでもあり。
結果、安く泊まったはいいものの、快適な睡眠は得られない。
そもそも宿での居場所もない(リビングでも大々的に飲み会が繰り広げられる)ので、不快な思いをするためにいくら安いと言ってもお金を払うことになります。
みんなで騒ぎたい!という人以外は、安いからと言ってパーティーホステルを選ぶのはやめた方が無難です。
たとえ1ユーロ多く出したとしても、普通の人と普通に眠れた方がいいと思いませんか。
どんな宿にも酒がある
上記のようなパーティーホステルでない普通の宿でも、バルカンの宿には常にお酒が置いてあります。
なぜならそこで働いている人が飲みたいから。
到着したなりウエルカム・ドリンク=ラキア(バルカンの蒸留酒)が振る舞われる宿もたくさんあります。
これは一種バルカン流のおもてなしなので、「酔わせて身ぐるみはがされるのではないか?」などと心配せず、
ありがたく受け取って大丈夫です。
ラキアはショットグラスで出されますが、一気飲みする飲み物ではないので、チビチビすするように飲んでください。
出されるラキアは様々ですが、多くの宿では自家製のラキア(宿自体で作ってなくてもオーナーの家族製など)を味わえます。
バルカンの人は飲みっぷりがよい人間に自然に好意を抱くので、飲めるなら遠慮せずぜひ飲みにケーションを楽しんでください。
☝宿に酒があるからオーナーの友人が毎晩遊びにやってくる(いや、それとも逆か。友達が酒を持ってくるから宿に酒がある?鶏と卵現象です)。オーナーやスタッフが仕事場に友達を呼ぶことが本当によくあります。別に呼ばれた友人は、外国人好きとか英語を学びたいとかでは全くなく、ただ自分の友人と遊びに来ただけ。かといって排他的な雰囲気は全くないし、客に変に気を遣うわけでもないく、みんなでわいわいといった感じです。バルカンの人は人見知りしない人が多いです。
クレジットカードは使えない
バルカンの宿の90%は現金払いのみです。
コソボとモンテネグロはユーロなので特に問題はないですが、それ以外の国は独自の通貨なので、
その国に着いたばかりでお金もってないよ!という方は、チェックインの際のそれを説明していいと思います。
前払いじゃないとダメ!と厳しくルールを定めている宿はありません。
町を散策するついでにお金を手に入れて、その日のうちに払えば問題ありませんし、何泊もするなら最後にまとめて払うのでもOK。
基本、お金に関して向こうからうるさく言ってくることはないです。
バルカン宿組合の特典を使う
政治的にはバルカン各国まだまだ仲が悪いですが、ビジネスの面では協力体制がはじまっています。
バルカンにあるホステルが参加する組合が存在します。
一つは「Balkan Best Hostels」、もう一つは「The Balkan Backpacker」です。
どちらも利用する側にはたいして差はないと思います(ただThe Balkan Backpackerのほうが加盟ホステル数が多い)。
わたしはそういうものの存在を知らず、マケドニアで泊まった宿がBalkan Best Hostelsのメンバーで、
チェックインの際にスタンプカードをもらいました。
同組合に所属するホステルに泊まる度、スタンプがもらえ、スタンプごとにその宿で特典が受けられるというものでした。
はじめは「ふーん」ぐらいにしか聞いてなかったのですが、なかなかその特典がお得なので、「お!!」と思いました。
ランドリーを無料でやってくれるなど、旅行者にとっては実用的にうれしいレベル。
もし、どこの宿もピンとこないな、という町があれば、どちらかの組合に属している宿を選ぶのもいいと思います。
カウチサーフィンは機能するか
現地の人の家の空いているスペースの無料で泊めてもらうサービス、「カウチサーフィン」は
バルカンでもちゃんと浸透しています。日本よりも知名度は高いかな。
結論からいえば、「カウチサーフィンは機能します」。
カウチサーフィンを利用する人の理由はいろいろあると思いますが、
バルカンで利用するのは、「現地の人とめちゃくちゃ交流したい」という強い思いがある人でないと、しんどいかもしれません
ただ宿代を浮かしたい、という理由では、もともとの宿泊費が安いホステルに泊まる方がいい。
なぜなら、ホストのおもてなしがすごいから。
カウチサーフィンを利用したら、朝から晩まで自分の時間は取れないと思ったほうがいいです。
調べものをしたい、毎日ブログを更新したいなど、自分の時間が必要な人には向いていません。
「プライバシー」などという気高い意識も持ち合わせていないので、放っておいてはくれません。
あと女の子一人旅の方は、アルバニアとコソボではしない方がいいかも。
完全に下心アリと思われます。
襲ってくるということにはならないですが、コンスタントにセクハラはされます。
Airbnbは使えるか
バルカン全土で利用できます。
これは数人で旅行している時は最善のオプションだと思います。
特にアルバニアでは信じられないくらい安い値段(一人7ユーロとか)で一棟貸し物件に泊まれます。
連絡方法に「Whatsapp」か「Viber」アプリを使うことが多いので、ダウンロードしておくと何かと便利です。
バルカンにある宿はきれいでインテリアもセンスがあるところが多いです。
あとほとんどのホステルには無料朝食サービスがついているのも嬉しい。
ホステルに限って言えば、サービスの質は高い方だと思います。
ただ、部屋にまでWifiが届いてこない宿が多く、共有スペースで調べものをすることになります。
宿泊客のほとんどが欧米人ですので、アウェーな環境ではありますね。アジアに興味がないひと多数だし。
でも、バルカンを旅行してる人って面白い人がたくさんいるので、面白い出会いもまたたくさんあっていいですよ。