バルカン各国の通貨の種類と物価は以前別の記事で紹介しましたが、(→こちら)
今回は各国で異なるそれらの通貨をバルカン旅行中にどうやって手に入れてやりくりするか、についてです。
・日本円は両替できるか
答えは限りなくNOに近いですね。
東南アジア、中央アジア、ロシア(東側)では日本円を現地通貨に両替できるのですが(少なくともレート表にJPYが載っている)、
バルカン諸国の換金所では全くJPYの表示を見かけません。
あるのは米ドル、ユーロ、スイスフラン。
持っていく日本円は、日本に戻ってきて空港から自宅までの交通費くらいで十分です。
日本出発前に、国内の換金所(チケットセンター等がレートがいいと思います)でユーロに替えておいてください。
ユーロなら最悪、現地通貨を持ち合わせていない状況でも頼めば使える場所も多いです(おつりは現地通貨で返って来るしレートもそんなによくないですが)。
・どこで両替するのか
レートがいいのは町なかにある換金所です。
銀行や郵便局でも交換できますが、時間がかかります。
換金所は観光客が集まるエリアで見つけられます。
そのまわりにうろうろしている浮浪者や怪しい人もいないので、安心して利用できますよ。
このような店のほとんどでは、パスポートの提示は求められません。
換金したい額をカウンター越しに渡して現地通貨を受け取るだけでOK。
アジアでよくあるお札の枚数を店員がごまかすとかは、まだ聞いたことはありませんが、念のため受け取ったらその場でお金を数えてレシートも受け取ってください。
バルカン各国の通貨は、その国の外では信用度ゼロのため、
中にはそれらのお金を換金してくれない店もあります。
ブルガリアを出た後に、残ったブルガリア・レフを別の国で換金してもらえず、
ずっと持ち歩いているという旅行者もいました。
最終的にその人は、マケドニアのオフリドという町の換金所で、ものすごーく悪いレートで交換できたのですが、
まぁ使わないお金をずっと持っているよりはよかったですね。←といって慰めておきました
たいていは、国境を接している国の通貨なら換金可能。
例:セルビアでクロアチアの通貨を両替できる、アルバニアでマケドニアの通貨を両替できる、など。
でも、アルバニアでクロアチアの通貨を扱っている店を見つける可能性は、マケドニアの通貨を扱っている店の数よりも少なくなります。
バルカンに何度も来るという人も少ないと思うので、できれば現地通貨は使い切れそうな分だけ替えておくのがいいです。
ってそんなことが上手にできればそれに越したことはないんですがねぇ。
旅行ってそんなうまく計画通りにはいかないじゃないですか。
中には、クロアチアのバス停であった女の子なんですが、
「もう今手元には○○クーナ(正確な金額は忘れましたが10円とかそんなレベだった)しか残してないの!うまいこと使い切れてうれしいワ~」なんて言っていたのですが、
モンテネグロ行きのそのバスでは、荷物を預けるのに別途20クーナ必要、とバスに乗る直前にドライバーから言われ、
おまけになぜかそのバスではユーロ払いができないという事態になっていました。
キツキツに使い切ってしまうよりは、多少手元に残っても「旅のお土産」くらいに思って持っているほうがいいと、わたしは思います。
・だって旅行者同士で替えればいいのだから
損はしたくないから完全に使い切ってしまいたい、という気持ちはわかりますが、
そんなに神経質になる必要もありません。
なぜなら、バルカンを旅行するみんなが同じ状況なのだから、
きっと他の人の手元にも「交換したい」お金が残っている可能性が高いのです。
自分が次に行きたい国からやってきたという旅行者にあったら、その人がその国の通貨を余らせていないか聞いてみればいいのです。
もし両替できずに残りを持っていて、さらにその人が次に行きたい国の通貨をあなたが持っているなら、
そこで交換してしまえばいいだけの話。
もしあなたが相手の必要とする通貨を持っていない場合でも、ユーロと交換してもらえばいいのです。
バルカンを旅行している人って、半分以上が世界一周中などの長期旅行者なんです。
そういう人たちは別にバルカンの通貨をずっと持っておきたいわけはないし、お金に対してシビアな人が多いので、
個人的に通貨を交換しましょう、というアイディアにノーという人はいないはず。
泊まっているホステルの共有スペースにいる人などを捕まえて尋ねてみてください。
そしてそんな時のために役立つアプリがあります。
最大10通貨まで登録可。このアプリのレートはかなりいいので、換金所等で替えるよりこの数字で替えると損はない(はず)。
これならお金に細かそうな相手とも問題なく両替できますよ。
・ATMで引き出す
バルカン諸国どこに行ってもATMがあります。
この地域にはまだ、機械に仕掛けをしてカードを盗んでやろうという技術が届いていないので、
基本どこのATMでも安心してお金をおろすことができます。
でもできるなら、ちゃんと銀行にあるATMを使うことをおすすめします。
わたしはCiti Bankのカードを使っているのですが、これだとおろす度に手数料として5ユーロかかります。
高いなーと思うので、これからは海外でキャッシングできるクレジットカードを使おうと思っています。
あと、カードや口座は、盗難や紛失に備えて二つ以上持っているのがいいですね。
ATMでお金をおろすと、現地通貨がそのまま出てきます。
レシートの残高表記は、たいていその国の通貨額で出ます。なかには機械に紙が入っていなくて、「レシート発行」ボタンを押しても出てこないこともありますが。
あと稀にですが、ATM自体にお金が入っていなくて引き出せない、なんてこともありました。
何かのトラブルでお金が引き出せなくなった、現金を盗まれて一銭もなくなった、など万が一のときは、
海外送金もできますよ。
プリスレンには、Western UnionとMoneyGramの両方があります。
プリズレンにあるくらいだから、バルカン各国の大きな町にも絶対あります。