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クステンドルフ国際映画祭


「クステンドルフ」なんてドイツ風の響きなので一体どこである映画祭かと思いきや、コソボのお隣・セルビアのド田舎で真冬にある映画祭です。

主催者はユーゴスラビア出身(サラエボ生まれ)の映画監督エミール・クストリッツァ。

今年は記念すべき10周年です。

クストリッツァ監督は2004年に「ライフ・イズ・ミラクル」という作品を作ったのですが、

その時の撮影の舞台となった村がここ「クステンドルフ」なのです。

セルビアとボスニア・ヘルツェゴビナの境目あたりにあるこの村を気に入った監督が、撮影終了後にまるっと購入。

クステンドルフという名前も監督がつけたものです。

さすが映画のセットだったこともあり、 レストラン、カフェ、ケーキ屋、教会、映画館、ホテル、土産物屋、プール、ジム、一通りそろっています。

通りや広場には、うざいほど監督の趣味むき出しの名前が付けられています。

それは世界各国のクストリッツァが好きな映画監督の名前、女優・俳優の名前に始まり、発明家、サッカー選手や革命家に至るまで。

将来自分の村を持ちたいと考えている人にとってはいい参考になると思います。

「あ~こんな好き勝手に作っていいんだ」と感心しますよ。

そんな場所で開催される映画祭。

今年はアジア系の審査員や作品も招待されているようです(残念ながら日本人はゼロ。過去には日本人の作品が招待されました)。

どこまで監督の独断と偏見で運営されているのか分かりませんが、予想するにやはりかなり口だしてるんだろうなぁと思います。

かなり独特な作品が集まっています。

過去にはジョニー・デップがゲストで呼ばれたり(以前ジョニデ主演の映画を作った仲だから。その時は等身大の銅像まで作って用意するという歓迎ぶり)、

ジム・ジャームシュ、アッバス・キアロスタミ、ニキータ・ミハルコフ、キム・キドクなどなど、かなりちゃんとした豪華ゲストが集う映画祭です。

開催場所が場所なだけに、知名度と注目度が伸び悩む映画祭ですが、好きな人にとってはかなり濃くてオイシイ映画祭だと思いますよ。

わたしは映画祭とは全く関係のない、真冬の別の日にここを訪れたことがありますが、それはそれで行ってみる価値のある面白い場所でした。

ただアクセスが少しめんどくさいことはめんどくさいです。

わたしは一度この村近郊の町・ウジチェに行きそこから乗り合いタクシーを使って村まで行きました。

またこの村の近くには「シャルガン8」という名前の観光電車が走っています。

上から見ると線路の形が数字の「8」に見えることからこの名前が付けられました。

険しい山道をくねくねして登ります。

真冬は運休しますので、ぜひ夏に行ってみてください!

そんなわたしもこの電車は未経験なので、ぜひ一度乗ってみたいな~と思っています。

電車つながりでいえば、セルビアとモンテネグロをつなぐ「バール鉄道」というのがあるのですが、それにも乗ってみたいです。

これも山道を走るそうで、いくつものトンネルの間に見える景色は相当美しいのだとか。

「相当美しい」はコソボ人から聞いた感想なので、ちょっとばかし期待度を下げていかないといけないかもしれません。

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