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コソボの電車


この前はバスについて書いたので、今回は電車について触れてみようと思います。

2017年現在、コソボ国内には電車の路線は一つしかありません。

昔はプリズレンにも電車が通っていたらしいのですが、今運行しているのはプリシュティナ~ペヤ間の路線のみ。

しかも朝と夕方に1本ずつ、一日2便のみです。

国際線なら、プリシュティナ~スコピエ間は走っているはず。

ただこの路線は両国の政治関係によってよく運行休止になっていることがあります。

スコピエとギリシャ北部の町・テッサロニキの間でも鉄道は走っています。

なお、コソボとセルビアの間には、列車の運行はありません(バスのみ)。

第二次世界大戦中は、はるかギリシャからポーランドのアウシュビッツまで、

ユダヤ人たちが列車に乗って運ばれてきていたそうなので、その間に横たわるバルカンにも鉄道網があったということだと思うんですが、

近年この地域では鉄道はほとんど活躍していません。

で、コソボの電車。

日常使いが全然できないプリシュティナ~ペヤ間の電車に、一度観光がてら乗ってみました。

プリシュティナ発が朝の7時とかだったので、電車に乗るためだけに、前日からプリシュティナ入り。

朝もめちゃめちゃ早く宿をでて、タクシーで駅まで向かいました。

このプリシュティナ駅。

日中は鉄道の駅なのですが、夜になるとナイトクラブに変身するという、謎の変わり身。

わたしが駅に行った日も、前夜の名残のごみが駅舎周辺に散乱していました。

駅員もいなければ、切符売り場もない駅です。

プラットフォームがひとつしかないので、電車に乗り間違えることはありません。

とりあえず時間通りにきた電車に乗り込みます。

車両は全部で5つくらいしかなく、すべての席が4人掛けのボックス席。

誰も乗っていないかと思いきや、この電車を通勤で使っていると思われる労働者風の人が何人もいました。

あとは老人たちも。

みんな毎日乗っているのか、顔見知りのようで、車内で声を掛け合っていました。

☝途中の駅の様子 結構乗っている人が多い

切符は電車が走り出してしばらくすると車掌さんが回ってきて、この人から買いました。

思ったより多くの駅に停まりますが、電車自体は快調に走ります。

驚いたのはトンネル。

トンネルの中はおろか、電車内にも照明がないので、トンネルに入るとあたりが真っ暗になります。

自分の手さえも見えない、本当の闇。

あれには驚きました。というか怖かったです。

数分間目を開けていても黒色しか見えないんですよ。

コソボは治安がいいので、特になにも起きませんでしたが、あれだけ長い時間真っ暗闇なら、やろうと思えば盗みや悪さなんて

いくらでもできるだろうな~なんて思いました。

基本、のどかな光景が続きます。

トイレがあるのかないのかわかりませんが、あってもかなり汚いだろうな、と思ったので、

あまりはげしく車内で飲み食いもできませんでした。

2時間くらいの乗車でペヤに到着。

もちろん車内ではなんのアナウンスもありませんが、ペヤは終点なので問題ありません。

優しい車掌さんが「ペヤだよ」とわざわざ教えにも来てくれました。

思ったよりも快適な電車。

時間も正確だし椅子の座り心地も問題ないし。混んでないし。

途中、車やバスだったら見ないような景色も見れて、面白いし。

コソボに来て時間がある人にはぜひおすすめだな~。でも本当、時間がある人しか無理だろうけど。

ペヤからプリシュティナに戻る電車が夕方の便しかなく、それはそれで不便なので、帰りはバスでいいと思います。

日が沈むと外の景色も何も見えないですしね。

まぁ不便すぎてほとんど見向きもされていないのが幸いして、観光化されていない体験ができる、というのはいいですね。

☝途中の駅 駅舎がやばい

ちなみに、昔プリズレンまで電車が走っていたときには、こんな歌も作られました。

たしか、「電車に乗って君に会いに行くよ」みたいな内容の歌だったと思います。

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