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東欧映画とアルバニア人

今日のBBCニュースの一つに、「アルバニアの残酷な産業」と題して、人身売買でイギリスに連れてこられた人の中で、

最も多い出身地がアルバニアだ、というのがありました。

人身売買だけでなく、西ヨーロッパに移住するアルバニア人はとても多いです。

歌手のリタ・オラも、コソボの首都・プリシュティナから子供の時に家族でイギリスに移住しています。

☝リタ・オラ姐さん

コソボ出身のアルバニア人は、オーストリア・スイス・ドイツ。

アルバニア本国のアルバニア人は、イタリアが移住先として多いです。

スイスのサッカー代表チームのレギュラーメンバーのうち5人がアルバニア人で占められています。

彼らが抜けるとスイス代表チームの戦力は激減すると言われています。

☝スイス代表チーム

ウィーンのオペラ座の前で客引きをやっている人のほとんどはアルバニア人だし、

アルバニアやコソボに行かなくても、知らないところでアルバニア人と会っている可能性は高いですね。

昨日みたオーストリア映画「インポート エクスポート」の中にも、わたしが気づかないところにアルバニア人が登場していたみたいです。

見終わった後、コソボの友人にこの映画をすすめたら、ストリーミングですぐさま見たらしく、そんな友人から、

「〇〇のシーンのあの人、アルバニア人だよ!ゲラゲラ」みたいなメールが何通か届きました。

☝「インポート エクスポート」のワンシーン

ちなみにこの映画の中でのアルバニア人登場シーンは、夜中の駐車場で警備員のバイトをしている主人公を襲うチンピラたちがその一つ、

もう一つは、ウクライナから出稼ぎにきたもう一人の主人公が働く老人病院で介護ヘルパーをしている職員。

ロン毛を後ろで束ね、なぜか職場に自分の愛犬を連れてきている、という人物でした。

どちらのシーンもそのアルバニア人たちはドイツ語を話していたので、

友人に「なんでアルバニア人だってわかったの?」と聞くと、アクセントでわかるとのこと。

この友人、ドイツ語は話せないはずなんだけどな、それでもわかるのだろうか…。

あと、チンピラたちは普通にアルバニアの歌を歌っていたから分かったのだそう。

そう言われてみれば、チンピラたちのダンス、アルバニア民族がよくするあの舞だったな、と。

この友人に限らず、アルバニア人ってアルバニア人を探しだす能力に長けているな、と思います。

隣国のマケドニアやモンテネグロの旅行に行っても、常にアルバニア人がいないか目を光らせています。

日本人って(人にもよると思うけど)、外国で日本人をそんなに求めないですよね?

観光地で日本人ぽい人を見かけても、あえてなかなか自分から声かけたりしなくないですか?

それがアルバニア人の場合は逆で、ささいなアルバニア人ヒントをその人に見ると、グイグイ自分から交流を求めていきます。

それにしても、コソボにいると、オーストリア・スイス・ドイツっていう国が、どれだけ夢の国なのか、と感じることが多々あります。

だいたい知り合いや親族の中に少なくても一人はそれらのどれかの国に出稼ぎに行っていて、

現地に残っている人からしたら「成功者」なわけですよ。

そして、出稼ぎに行っているほうも、毎年夏に帰省すると、「成功者」な振る舞いをするわけですよ。

まぁ具体的には、大量のお土産を持ち帰ってくる、コソボで見ない服装をしている、

高い車(メルセデスとか)に乗っている、飲みに行ったら必ずおごる…などなど。

あと、もちろん人にもよるけど、外国人のわたしからしたら、話がしやすい人間になっているのが、出稼ぎにいっているアルバニア人かな。

外国にいるわけだから否応なく視野は広くなるし、そのおかげで人の意見を少なくとも聞いてはくれるし、何かについて話すとき、ちゃんと対話ができる。

これをコソボのアルバニア人としようと思うと、壊滅的に無理なのでね。

でも多分、実際向こうでの生活はというと、そんな華々しいものではないんだろうな、という想像ができます。

だってやっぱり移民だし。

一度ホステルにスイス人の団体が泊まりに来たことがあったのですが、

その中にパキスタン人の旦那さんとコソボ出身のロマ人の奥さんという夫婦がいました。

そして彼らがつるんでる家族も、奥さんがチリ人で旦那さんがアルバニア人という構成でした。

マイノリティーはマイノリティー同士、仲良くするんだな、というか、なかなかそれ以外とは仲良くなれないのかもな、と思いました。

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