バルカンのバンドでGipsy Grooveという人たちがいます。
ってことをわたしも去年まで知らなかったんですが、そもそもなんでそのバンドを知ったかというと、そこのボーカルがコソボの宿に泊まりに来たから。
「え!?バンドの人が泊まりに来るの!?」とミーハー気分でよろこんでたら、
「別に初めてじゃないよ。前も来たことあるし」とスタッフたちはいたくクールな(というかあんまり興味がないみたいな)反応。
当事者であるそのバンドマンも、「オレ、バンドやってるから」みたいに肩で風を切ってるタイプの人ではなく、
気づいたら宿のロビーにいてパソコンで地味に作業している人だったし。
言われないとこの人がそのバンドの人だなんてわからなかったよ。
そのバンドのボーカリストであるKさんは、ジプシーらしい。
アルバニア語を堪能に操っている様子からコソボかアルバニア出身のジプシー?と聞くも、
おれはそんな感じで縛らないんだ、自分自身を、と言っていました。
おお~なんかジプシーらしい返答ですね。
(でも実際はコソボ出身のジプシー)
今はセルビア北部の町・ノビサドでバンドメンバーと活動中とのことですが、基本みんなそれぞれバラバラに好き勝手していて、
さぁ曲やろうぜ、となれば集まるらしいです。
メンバーの国籍もバラバラみたいだし(クロアチア人とかボスニア人とかもいる)。
何語で話すの?と聞くと、「うーんその時のノリかな。もちろん英語も使うし」とのこと。
このKさんもバンド活動以外に、自ら主宰する団体を持っていて、そこではジプシー文化をよその人に紹介する活動をしているそうです。
今回のコソボ訪問も、バンド活動ではなく、そっちの団体の仕事で来ていました。
肩で風を切るタイプのミュージシャンではないけれど、やはりところどころアーティスト感は溢れている人でした。
コソボではなかなかそういう「クリエイティブな人」に出会わないので、久しぶりに抽象的な話ができたり、哲学的な話ができたりして刺激的でした。
態度もコソボ人に比べて洗練されてて紳士的だったし。
だってここらにいるコソボ人ってみんな政治の話か身の回りにいる人のうわさ話か、昔の思い出話しかしないんだもん…。
まぁそんなKさんがボーカルをつとめるバンド、Gipsy Grooveの一曲を聴いてください。
Gipsy GrooveでBalkan Mania。