去年の夏に行ったプリシュティナにあるレストランなんですが、また行きたい!
本当におすすめできるレストランです。
住宅街の細い路地にあり、古民家を改装してできたレストランです。
入口の門は木製の立派なものです。
それが閉まっていると入るのに躊躇してしまうくらいなんですが、ノックすればひたすらににこやかで感じのいいウエイターさんが出迎えてくれます。
メニューはなく、その日の仕入れ状況に応じて毎日シェフが何を作るかを決めるスタイルです。
値段はセットメニューで15ユーロ(夕飯)。
わたしからしたら15ユーロ(1700~1800円くらい)で前菜からデザートまでフルコースで凝りに凝った創作料理を堪能できるなんて信じられない破格のレストランですが、コソボの人にとったら高級レストランの部類になります。
普通の人の月給が200ユーロ(23000円くらい)ですからねぇ。
わたしが行った時も、お客さんはほぼ外国人でした。
でもツーリストではなく、駐在とか在住系の外国人(そして全員が白人)。
そういう人たちが、ケバブやらブレクやらのバルカン単純料理に変化をつけるために食べに来ているという感じですね。
あとは、そういう外国人が自分のもとを訪れた友人・知人・家族を連れて、とか。
ガイドブック等で大々的に宣伝はしていないので、本当に知る人ぞ知る店です。
ちなみにわたしは食にうるさいコソボ人の友人から聞いて知りました。
その人はデートで女の子と連れて行ったというからなかなか大したもんです。まぁデートの結果は知りませんが。
その時に出た料理を覚えているものだけ紹介しますね。
なんせ半年以上前のことなのでかなり記憶が曖昧で申し訳ない…。
前菜:ルッコラのサラダ 小鉢(中身は忘れたけど3種類くらい何かありました)
メゼ←メゼとはおつまみのことで、基本チーズ(数種類)と生ハムとオリーブ
スープ
メイン:やわらかいステーキ
デザートとコーヒー
パンは手作りで食べ放題
飲み物のお酒とソフトドリンクが飲み放題
こう書くとなんかすごく普通のコースに聞こえますが、実際はかなり手の込んだ見たことないものがずらっと出てきたんです。
もう表現力が追い付いていなくて悔しいです…。
そもそもコソボの他の店でルッコラなんて目にしませんから!だから初めにルッコラが出てきただけで、「なんじゃこりゃ!!」状態なわけですよ。
凝ってるのは料理だけでなく、食器も木製の皿だったりして、そういう感覚を持った店に巡り合えたというのが、ここでは本当に奇跡に近い出来事なんです。
外のテーブルに通されて、キャンドルが灯される薄暗い落ち着いた雰囲気の中、たっぷり時間をかけていただきました。
なんかもうコソボじゃないみたいな雰囲気…。
良くも悪くも油断すると自分がコソボにいることを忘れてしまう場所でした。
プリズレンにはさすがにこのレベルの店は存在しないですね。
首都の力を見せつけられましたわ。
このレストランには、山に滝を見に行った帰りに寄ることになったんですが、その日わたしはビーサンを履いていたので、慌てて途中にあったファストファッションの店で靴を買って行ったのを覚えています。
このレストランに行ったという話を何人かのコソボ人に話したら、一食に15ユーロも払うなんてどうかしてる!あほやろ!!という反応が返ってきました。
まぁね~そういう気持ちも分からんでもないんですがねぇ。
まぁこっちの人には、レストランで美味しいものを食べる、という感覚はまだまだ浸透していないのでしょう。
結婚式とか親族の集まりとかでご馳走を食べる機会はもちろんありますが、それは「食事を楽しむ」場ではなく、「親族交流」の場なのでまた趣が違うんでしょうね。
いったいコソボ人の中の何人が、「食を楽しむ」機会と能力を持っているのか、定かではありませんが、かなーーり少ないことは確かです。
まぁ逆に言うと、日本人がいかに食に対して興味があるか、ということもできますね。
こんなにTVで毎日必ずグルメについて放送している国って、そんなにないんじゃないでしょうか。