先日、コソボの国会では日本で言うところの内閣不信任決議がなされ、国会は解散に追い込まれました。
この調子でいくと45日以内に総選挙が行われます。
解散の主な原因は次の二つ。
モンテネグロとの国境線の位置の解決
セルビア系住民のための自治体の確立
この二つの事項を巡って2年間、与党と野党が対立を繰り広げてきました。
野党側は、モンテネグロにコソボ側のいくらかの土地を譲って国境問題を解決しようとする与党に反対。そして、セルビア系住民が自治権を持つのにも反対。
たまにTVの国会中継を見ていると、野党側が催涙弾ガスを使って国会審議を妨害している様子が映っていました。
そしてついに先日、不信任決議案が賛成多数で可決されました。
コソボはセルビアから(一応)独立後、独自のパスポートを持っているのですが、その効力はいたって弱い。
ヨーロッパ各国に行くためには必ずビザが必要となります。
この条件をEU側に緩和してもらおうと長年頑張っているのですが、未だにビザ緩和には至りません。
近年は、EU側からコソボが上記二つの問題を解決できたらビザ緩和に向けて動いてあげてもいいと言われているのですが、これってまるでかぐや姫が求婚を申し込んできた三人に与えた条件みたいなもの。
ほぼ解決不可能なんですね。
今回の国会解散でますますビザ緩和への道のりは長くなりそうです。
そして、コソボ内では早速選挙キャンペーンが始まっている様子。
一部のうわさによると、人々は酒代、たばこ代と引き換えに「自分の票を売る」こともあるのだとか。
こうなったら不正もあるんでしょう。
誰か早く「本物の政治家」が出てくることを、首を長―――――くして待つしかないですね。